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2012年11月3日(土) ★入場無料
16:00 開場  17:30 上映開始

場所 鶴舞公園 普選記念壇(愛知県名古屋市)

WEBSITE: http://www.geocities.jp/tsurumai_phantasmagoria/
お問い合わせ:tsurumai_phantasmagoria@yahoo.co.jp

2011年10月21日

鶴舞ファンタスマゴリアに寄せて

1、
 アリスが生まれた頃、というより、作者のルイス・キャロルが生きていた時代は、産業革命後のイギリスであり、
 ブルジョワジーが台頭して、資本主義が力を増大した時代でした。

 産業資本家たちにとっては、お金が至上の価値を持ち、人間も金銭的価値で計られるものであり、それゆえに自ず
 と新しく発明された機械のほうが人間存在よりも上位/優位に位置づけられました。
 事実、産業革命の初期には、機械に労働を奪われた熟練工たちが、機械を壊す行為に及びましたが(ラッダイト運
 動)、産業資本家たちが支配権を握る英国政府は、機械を破壊したものへ死刑をはたす法律を制定して、実際に施
 行されました。
 バイロンやシェリーのような浪漫派の詩人たちは、ラッダイト運動を支持し、労働者たちの擁護をしました。

 お金が至上となった世界では、同時にシステムと機械が人間を支配することになりました。さまざまな殺人機械が
 発明されるようになり、第1次世界大戦から戦争の機械化は加速して、現在のアメリカが主導する戦争では、より
 人間らしい心は虐げられて、コンピューター・システムによって自動的に殺人が行われるようになってきています。
 また、ノーベルが発明したダイナマイトから、アメリカのマンハッタン計画によって実用化された原爆まで、大量
 破壊装置威力も増大していきました。
 
 寺嶋真里氏の作品「アリスが落ちた穴の中〜Dark Märchen Show!!」(愛知芸術文化センターオリジナル映像作品)は、
 言わば、そんなルイス・キャロルによる原・物語の背後を照射する作品であり、ヴィクトリア時代以来、ますます
 邪悪な存在となった人間によって、浪漫派の詩人たちが夢見たメルヘンの世界の住人たちが脅かされる様が描かれ
 ています。
 それ故のダーク・メルヘン、と謂うことだと思われます。
 下層階級の娼婦を殺したジャック・ザ・リパーが実は英国王室に繋がる身分の人間だったという説があるとおり、
 19世紀末以来、分裂する人間の暗部を暗示する作品となっています。

2、
 今回の野外映画祭は、もともと寺嶋真里氏の作品を、名古屋で多くの人に見てもらいたい、という気持ちを持ってい
 た私たち実行委員会のメンバーが、昨年の初夏の頃から適当な上映場所を模索していたところ、たまたま、鶴舞公園
 の演壇のことに思いいたり、そうだ野外というのもいいじゃないか、たとえ雨が降る中のスクリーンを見ることに
 なっても、それはそれでおもしろいじゃないか、また、たまたま天変地異によって、中止となっても、それはそれで
 潔く受け入れるくらいの、気負いの無さでやっていこう、と思い、始めたものです。

 そして、どうせやるのなら、他の作品も上映しよう。さらに、どうせやるなら、アンデパンダン的に自由な上映会に
 したい。ともかくも、商業からは、遠く離れた位置での、誰にでも開かれた上映会にしたい、と思いました。基本的
 に、お気楽な気持ちであります。

 でも、最初の試みなので、今回は、寺嶋真里作品以外にも、招聘した作品があります。
 それが、荒木博志氏の作品で、2000年にオランダ/アムステルダムでのアニメ映画祭で賞を獲得した作品です。
 荒木博志といえば、シモン派(Ecole de Simon)の人形作家として、特にもし現実に存在したらこうであっただろう
 と思われるアトムの人形で有名ですが、彼のアトムを美術館で見る機会はあっても、彼のアニメは永らく上映の機会
 がなく、見たいという要望が強いものでした。
 
 荒木氏のアトムは「眠るアトム」です。荒木氏にとっては、かって子供の頃憧れた輝かしい「未来」は実現できず、
 現実はアトムでさえもが無力にならざるを得ないような暗澹たる未来でした。手塚治虫の原作では、アトムが生まれ
 たのは2003年でした。
 結局、産業革命以来の様々な機械が、人間の幸福よりも、むしろ悲惨さを増大させている、というのが、今回の上映
 するメインの作品の主調音のようでもありますが・・・。

 そして、いろんな方からもご支援も頂き、いくつかの公募作品も上映できることになりました。

3、
 ファンタスマゴリアと名乗るのは、もともと鶴舞公園が、博覧会の会場として整備されたというノスタルジーに触発
 されたものです。
 映画以前のプレ=映画。素朴な光学器械へのノスタルジーは、日本の過去百数十年の、明治の文明開化に始まる
 グローバリゼーションと欧米帝国主義に拮抗する近代国家=自我の確立との相克の時代へ思いを馳せることでもあり
 ました。
 明治以来の政府は、歴史のなかで民主主義と国家主義の対立を経験して行きます。
 幸徳秋水から大杉栄まで、平等と自由を尊ぶ精神が蹂躙されてきました。

 そのなかでも、少しづつ(たとえ一歩前進、二歩後退という現実であったとしても)、民主主義の運動は続けられて
 いき、1928年(昭和3年)に鶴舞公園に造られた普選記念壇は、大正リベラリズムの残光を幻視させられうる場所
 でありました。

 そこで野外アンデパンダン映画祭を開催することには、映画もまた寡占資本によって無理矢理の変質を強いられてい
 る現状のなかで、自由な作家活動に何かしらの支援となれば、という思いがあります。
 かかる見地から、普選記念壇での今回の上映活動には、不思議なえにしを感じています。


 (岡田邦雄=GalleriaAMICA)
posted by 名古屋アンパン at 09:09| 鶴舞ファンタスマゴリアに寄せて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月20日

上映作品紹介2_アニメーション

次に、アニメーション作品を2つご紹介します。

1作品目は、昨年のあいちトリエンナーレ「アートのイエ」の展示に参加した名古屋出身の作家 百合草尚子さんと、同じく名古屋出身のデザイナー 小出英貴さんの作品

『花を摘みに』
hanawotumini.jpg
森に花を摘みに行きました。そこで・・・


花を摘みに行った少女が森で出会う、不思議な出来事。
百合草さんが描かれる、すこし怖いような、それでいてふわっとしたファンタジックな絵画世界が、そのまま物語になったようなアニメーション作品です。


2作品目は、鳥取県出身の作家、いとうあやさんの作品
『しあわせな指』

作家さんより、丁寧な作品の説明がありましたのでそのままご紹介します。
「情報伝達技術の目覚しい発展により、社会問題も多様化している昨今ですが、ひとが言葉を持ち、発達させたことはすばらしいという作品です。
8mmフィルムカメラの映像とデジタル画像を混合し、製作しました」

人間が持つ、言葉や文字というコミュニケーションツールによって、誤解や諍いが生まれることもありますが・・・
それでも、やっぱり、単純に、伝わる・伝えられるっていいなぁ、と感じさせてくれる作品です。


<作家紹介>
『花を摘みに』
小出英貴(こいで・ひでき)
デザイナー
1977年名古屋市生まれ
多摩美術大学グラフィックデザイン卒業

百合草尚子(ゆりくさ・なおこ)
絵描き
1975年名古屋市生まれ
名古屋芸術大学大学院美術研究科終了
2007年 After REMISEN#8(名古屋芸術大学アート&デザインセンター/北名古屋)
2008年 daily work2008(dot/北名古屋)、 solo exhibition/4 artists( GALLERY CAPTION/岐阜)

『しあわせな指』
いとうあや
鳥取県倉吉市出身。
山口県立大学環境デザイン科、セツモードセミナー美術科卒。
posted by 名古屋アンパン at 12:15| 鶴舞ファンタスマゴリア2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月19日

あと10日!

あと10日でイベント当日です。
上映作品も沢山集まり、もうすぐみなさんにご覧いただけることにワクワクしております。

秋も深まり、夕方暗くなるのが早くなってまいりました。
当日は、日の入りの時刻に合わせて17時頃より上映を開始いたします。

日中は暖かくても、夜の野外は寒くなることが想定されます。
普選記念壇の椅子は、きっとお尻に冷たく感じることでしょう。
ご来場の際には、くれぐれも防寒のご用意をお忘れなく。

上映前ですが、15時半からは『アリスが落ちた穴の中〜Dark Märchen Show!!』の監督 寺嶋真里さんとペヨトル工房の今野裕一さんのトークショーを開催いたします。
『アリスが落ちた穴の中〜Dark Märchen Show!!』のことを中心に、お二人にお話をお伺いしたいと思っておりますので、ファンの方はお楽しみに。

尚、当日の会場にて、『アリスが落ちた穴の中〜Dark Märchen Show!!』のART ALBUM + DVDのご予約を承ります。
イベント特典としてサイン入りポストカードが付く予定ですので、気になっていた方は是非この機会にご予約くださいね。
posted by 名古屋アンパン at 17:31| 鶴舞ファンタスマゴリア2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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